曳山の魅力

曳山は神が降臨し宿る場所で、祭り終了後に解体することで邪気を追い払うという説もあります。一方で、曳山行事は風流の要素を色濃く残しており、曳山については、できるだけ美しく華やかに飾り、観衆の目を楽しませる趣向を凝らしています。

曳山の正面

武者人形むしゃにんぎょう裸人形はだかにんぎょう

祭りで観衆の目をぐっと惹きつけるのが、曳山の上の武者人形や裸人形です。通常曳山1台につき2~3体が設置され、合戦の場面や歴史的な場面を表現しています。現在は創業140年の越前谷人形店が唯一の人形店。どの人形を曳山に乗せられるかは曳山奉納町内の一大関心事であり、曳山の出来を左右する大切な要素です。

外題札げだいふだ

曳山で表現している場面の題名が書かれている札。

人形札にんぎょうふだ

人形の人物名を表す札。

町名札ちょうめいふだ

曳山奉納町内の名前を記した札。

号札ごうふだ

御幸曳山の時に先頭となる曳山から順に数えた連番が書かれた札。四と九が付く番号は縁起が悪いとされ、除外されます。

解説札

町内によっては場面を解説する札を乗せるところもあります。

ツゲ・杉・流れ松ながれまつ

笊の周りには山ツゲを配し、岩の中央には杉の枝、両側には「流れ松」と呼ばれる松の枝を配置することが多い。

曳山の側面

いわ

岩の輪郭は曳山の良し悪しを決める大切な要素で、岩の質感を出すために、木の骨組みに枝を落とした柳を紐状の束にして縛り付けます。その上に、内側に絞りを作った黒木綿が被せられ、ゴツゴツした岩の質感を表現します。なお、岩は男岩・女岩の一対の夫婦岩から成ります。

たき

岩の間には瀑布を表す布が掛けられます。

ざる

人形を乗せる台。一番下の大笊の他、人形をかさ上げする小笊などがあります。

車輪しゃりん輪っぱわっぱ

輪っぱと呼ばれる木製の車輪。

曳山の特徴として、木造の台車が擦れ合い発する「ギー」という、木が軋む独特な音があります。また、この車輪と心棒の摩擦を軽減するために軽油(軽油に白絞油を混ぜたもの)が使われますが、祭りの最中、町中至る所で軽油の匂いが漂っているのも大きな特徴で、「曳山が軋む音と漂う油の匂い」は祭りに欠かせない風情です。

心棒しんぼう

2つの車輪を取り付け、車輪の回転を支える大切な木の棒。

化粧板けしょういた雲板くもいた

車輪・心棒を梁や枠で組み上げた後、固定するための外枠。町名や町紋等が彫刻され、四つの角には唐草模様等があしらわれることから、俗に雲板とも言われます。

やり

 
曳山を曳く綱を巻き付ける丸太のこと。人形側、囃子側それぞれに2本ずつ取り付けます。槍の取り付けは「槍出し」と呼ばれ、特に振り方が中心となってその作業に関わります。

曳山の裏面(囃子櫓はやしやぐら側)

角灯籠かくどうろう角花かくばな

赤を基調とした角灯籠には、町内の名前、町内の自慢、吉祥句などの祭り情緒を高める字が書かれます。角灯籠は囃子櫓を囲むように取り付けられ、上部に角花が飾り付けられます。

囃子櫓はやしやぐら

囃子櫓には太鼓が取り付けられ、中には囃子手が乗り込み演奏できるようになっています。

見返し人形みかえしにんぎょう

 
曳山の裏面、囃子櫓の上には、町内で考えられる世相を反映した見返しと呼ばれる句の書かれた札とそれを象徴する見返し人形が設置されます。武者人形や裸人形とは異なり、風刺の効いたコミカルな表情が特徴的です。見返しは、土崎港曳山会が開催する「見返しコンクール」により、最優秀賞1町内、優秀賞2町内が決められています。受賞した町内には、賞札が与えられ、見返し札の横に設置されます。

土崎港曳山まつりについて